エネルギー源という意味でのエネルギーは 能源 と言います。能「できる、能力がある」+ 源「みなもと」。この 源 は、環境と資源 のページに出てきた「資源」の「源」と同じ字です。能量 と混同しないよう気をつけてください。こちらは物理学者のエネルギー、つまり測るほうのエネルギーで、朝、あったりなかったりするあの元気のことでもあります。日本語はどちらも「エネルギー」のひと言ですませます。中国語のほうが、めずらしく、私たちより細かいのです。
電気は 电 。繁体字の 電 は上に雨 雨 をのせています(日本語の「電」はこの形です)。この字はもともと稲妻を指し、いまも 闪电 ではその意味です(天気 を参照)。近代の発明に名前をつけなければならなくなると、古い語の前に 电 を置くだけですませました。「電気の言葉」が電話、「電気の脳」がコンピューター、「電気の影」が映画です(電話は日本語と同じ語ですが、あとの二つは中国語だけです)。ふだんの暮らしでは、二つの言い方でほぼ足ります。ひとつは 没电 、「電気がなくなった」で、とくに携帯電話について言います(例文1)。もうひとつは 电费 、電気代です。電気代は 度、つまり「度」で数えます。一度电 は1キロワット時です。
油 は台所の油でもあり、車の燃料でもあって、どちらなのかは文脈を見ないとわかりません。石油は「石の油」、石油 です(日本語の「石油」はこの語です)。古い語で、十一世紀の学者、沈括の書いたものに出てきます。沈括は陝西でこの油が地面からしみ出るのを見て、いずれ大いに役に立つだろうと予言しました。ガソリンは 汽油 、「蒸気の油」。給油することは 加油 、「油を足す」と言い、これは人を励ますときのかけ声でもあります(例文5、日本語なら「頑張れ」です)。この二つ目の意味については、いくつもの説明があります。確かだと言えるものは、ひとつも見つかりませんでした。
石炭は 煤 (日本語では「すす」と読む字です)。木炭は 炭、化学者の言う炭素は 碳 で、同じ字の前に石をつけたものです。中国は一国で世界の石炭消費の半分以上を燃やしていて、北方では長いあいだ石炭で暖をとってきました(例文10)。木炭のほうは、文学のものです。白居易の炭売りの老人はだれでも知っています。山で木を伐り、炭がよく売れるようにと寒くなるのを願う老人です(例文23)。宮中の使い二人が、わずかな絹と引きかえに、車一台ぶんの炭を取り上げていきます。
「新エネルギー」新能源 は、街なかで目に見えます。電気自動車は緑のナンバープレート、ほかの車は青のナンバープレートです(例文11)。太陽光発電は西洋語をそのまま写した語で、光伏 と言います。光「光」+ 伏、これは 伏特、つまりボルトの最初の音節です。三峡ダム 三峡大坝 は、いまも世界でもっとも出力の大きい水力発電所です(例文19)。けれども、このセクションのほかの語彙は新聞の中国語で、全部を覚える必要はありません。
金属は見ればわかります。ほとんどすべてに部首 钅 がついているからです。これは 金 を略した形、日本語で言う「かねへん」です。鉄 铁 、鋼 钢 、銅 铜 、銀 银 がそうです(どれも日本語と同じ字の簡体字です)。そして十九世紀の化学者たちは、新しい元素に名前をつけなければならなくなると、この型にならって字をつくりました。金属の部首に、音を表す部分を組み合わせるのです。アルミニウムは 铝 、リチウムは 锂 。元素ひとつに、字がひとつ、音節がひとつ。金 そのものは「金(きん)」と「金属」の両方を意味します。古い文章では、さらに別のものです。たいていは青銅 青铜 を指します。文字どおりには「青緑の銅」で、古びるとその色になることから来ています(例文18)。
鉄と鋼は、人について語るのにも使います。鉄は素材のまま、鋼はそれがなるべき姿です。子どもに失望した親は 恨铁不成钢 、「鉄が鋼にならないのを恨む」のです(例文21)。趁热打铁 のほうは、日本語の「鉄は熱いうちに打て」と一語一語同じです(例文16)。いまの言葉では、铁 は「固い、後戻りしない」という意味になります。铁粉 は筋金入りのファン、そして 铁了心 、「心が鉄になった」人は、もう考えを変えません。金のほうは、ものさしに使います。含金量 、「金の含有量」は、学位や賞について言います(例文22)。どの学位にも同じだけ含まれているわけではありません。
材料は 材料 と言い(日本語の「材料」と同じ語です)、この語はすでに 暮らしのサービスと手続き のページに出てきました。申請に出す書類一式のこともこう言うのです。料 だけなら、人をつくっている生地のこと。そこから 不是这块料 、「その生地ではない」という言い方が出てきます。素材の名前は、ときにそれがやって来た経緯を語ります。ガラス 玻璃 は仏教とともにインドから来た語で、二つの字はどちらも玉へんです。ガラスは宝石のうちに数えられていたのです。セメント 水泥 は「水の泥」。はじめは「外国の灰」と呼ばれていました。プラスチック 塑料 は「形をつくる材料」です。ところが、評判はよくありません。塑料普通话 、「プラスチックの標準語」は、なまりの強い標準語のことです。
石灰 石灰 には詩があって、小学生が暗唱します(例文24)。明の大臣、于謙がその詩で描くのは、山から掘り出され、火をくぐり、粉々にされ、それでもこの世に白さを残すことだけを願う石です。自分のことを語っていたのです。于謙は1457年に処刑され、のちに名誉を回復されました。
このページの最後の文は孔子の言葉で、素材ではなく道具の話です。いい仕事をしようとする職人は、まず自分の道具を研ぐ(例文25、孔子『論語』第十五章 を参照)。この言葉は仕事場のことわざになりました。原文では、徳についての答えです。
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使い方:どの語にもレベルがついています。① は基本、② はよく使うもの、③ は細かいもの。まず ① から始めてください。それだけでも、ラベルを読んだり、電気代を払ったり、物が何でできているかを言ったりするには足ります。▶ のボタンで発音が聞け、漢字をクリックすると筆順が開きます。
エネルギー源
エネルギー、エネルギー源
石油
石炭
たきぎ、薪
火をつける
燃やす、焼く
ガソリン
天然ガス
太陽エネルギー
新エネルギー
クリーンエネルギー
風力エネルギー
原子力
原子力発電所
水力発電所
軽油、ディーゼル燃料
都市ガス(石炭ガス)
燃料
エネルギー(物理の、体の)
ガソリン価格
ソーラーパネル
ダム
充電スタンド(電気自動車用)
石炭(総称)
原油
化石燃料
太陽光発電
風力発電
水素エネルギー
エネルギー貯蔵、蓄電
三峡ダム
電気
電気、電流
電気を使う
電気代
電気がない、電池が切れる
発電する
電力
電池の残量、電気の量
電気を止める、停電
感電する
1キロワット時(「電気一度」)
送電網
電圧
高圧線
ショート、短絡
電力の使用を制限する、計画停電
鉱山と地下
鉱山、鉱石
炭鉱
金鉱
鉱山労働者、坑夫
掘る
鉱物資源
採掘する
油田
レアアース
金属
金属
鉄
金(きん)
銀
鋼(はがね)
鉄鋼、製鉄業
ステンレス鋼
銅
アルミニウム
青銅
針金
さびる
錫(すず)
鉛
リチウム
合金
製鋼する
木、石、ガラスとそのほかの素材
ガラス
プラスチック
紙
紙箱
ガラス瓶
泥、土
木材
板
れんが
瓦
セメント
大理石
ゴム
陶磁器、セラミック
ボール紙、段ボール
原料
コンクリート
石灰
建材
強化ガラス
炭素繊維
素材の性質
透明な
防水の
長持ちする、丈夫な
割れやすい、壊れやすい
割る、壊す
人工の、合成の
純金
燃える、燃焼
材質
無垢材
電気を通す
溶ける(金属が)
成語のなかの鉄、金、火
熱いうちに鉄を打つ(鉄は熱いうちに打て)
本物の金は火で試されても恐れない(本物は試練に耐える)
鉄の杵も磨きつづければ針になる(石の上にも三年)
一寸の時間は一寸の金(時は金なり)
鉄が鋼にならないのを恨む(期待する相手のふがいなさを歯がゆく思う)
石に触れて金に変える
百回鍛えて鉄は鋼になる(鍛錬を重ねて強くなる)
釜の下からたきぎを抜く(問題を根本から断つ)
みんなでたきぎを拾えば炎は高く上がる(力を合わせれば大きなことができる)
くず鉄、がらくた(「割れた銅と朽ちた鉄」)
ふだんの言葉のなかのエネルギーと金属
金メダル
着信、(二人のあいだに)電気が走る
「プラスのエネルギー」(前向きな力)
「金の飯茶碗」(安定した実入りのいい職)
「金の含有量」(ほんとうの値打ち)
「鉄のファン」(筋金入りのファン)
固く心を決める(「心が鉄になった」)
「プラスチックの標準語」(なまりの強い、あやしい標準語)
「鉄筋とセメント」(コンクリートの街)
その器ではない(「その生地ではない」)
例文
携帯の電池が切れたので、充電しなければなりません。
このテーブルは木でできています。
このコップはガラス製です。割らないように気をつけて。
出かけるときは電気を消して、節電してください。
車のガソリンがもうすぐなくなるので、給油しに行かなければなりません。
今月の電気代は高いです。
金は銀より高いです。
このかばんは何の素材でできていますか。
屋根にソーラーパネルを取りつけました。
以前、中国の北方では、冬はおもに石炭をたいて暖をとっていました。
新エネルギー車を買う人がますます増えています。
この包丁はステンレス製なので、さびません。
ガソリン価格がまた上がりました。
このプラスチックの箱は丈夫で、もう何年も使っています。
団地に充電スタンドがたくさん設置されました。
鉄は熱いうちに打て、です。今日のうちに契約を結んでしまいましょう。
あの人は前向きなエネルギーにあふれています。
青銅は銅と錫からできています。
三峡ダムは世界最大の水力発電所です。
リチウムは電池の製造に欠かせない原料です。
両親は彼のふがいなさが歯がゆくて、毎日むりやり勉強させています。
この学位はとても値打ちがあります。
炭売りの翁は、南山で薪を伐り、炭を焼く。(白居易「売炭翁」)
千たび槌で打たれ、万たび鑿でうがたれて深山を出る。烈火に焼かれることなど、何とも思わない。(于謙「石灰吟」)
職人が仕事をうまくやろうと思うなら、まず道具を研がなければならない。(『論語』XV.9)


