「祭りの日、祝日」は中国語で 节日 といい、すべては 节 の一字にかかっています。旧字体の 節 には、竹かんむり、つまり 竹 がついています。もとは竹の茎の節、茎を規則正しい区切りに分けるあのふくらみのことです。節から区切りへ、そして一年を区切る点へ ⟶ 祭りの日。同じ字は 季节 (季節)、节目 (番組の出し物、プログラム)、细节 (細部)にも出てきます。节约 (節約する)になると、道筋はそれほどはっきりしません。ここでの 节 は「ほどよく抑える」という意味で、節の規則正しいリズムに結びつけて説明されますが、わたしには断言できません。
伝統的な祝日は旧暦にしたがうので、わたしたちの暦では毎年日付が変わります。でも、よく見てください。ほとんどすべてが、同じ数字の重なる日か満月の日に当たっています。一月一日が正月、五月五日が 端午节 、竜船の祭りの端午節、七月七日が 七夕 、九月九日が 重阳节 、「陽が重なる」重陽節です。九は陽の数の最たるものだからです(日本では、こうした節句が明治の改暦で新暦の日付に移りましたが、中国ではいまも旧暦です)。月のほうでは、一月十五日が元宵節、八月十五日が中秋節になります。この規則からはずれる大きな祝日は、ひとつだけです。清明节 は太陽にしたがいます。二十四節気のひとつで、毎年4月5日ごろに当たります。
正月のほうは、二十世紀に名前が変わりました。中華民国が西洋の暦を採用したとき、元旦 「最初の朝」は1月1日に移り、もとの正月は 春节 、「春の祭り」になりました(このサイトの 春節 のページをご覧ください)。会話では、もっと簡単に 过年 といいます。直訳すれば「年を越す」、峠や川を越えるように。まさにそれが 年兽 の伝説の意味です。年の暮れごとに現れ、爆竹の音に追い払われた怪物、年獣の話です。ただ、わたしはこの話をどんな古い文献でも見たことがありません。どう見ても新しい話のようですが、だからといって、どの学校でも語られていることに変わりはありません。
子どもに渡すお金、日本でいうお年玉は 压岁钱 といいます。压「押さえる、おさえつける」、岁「年、歳」⟶ 年を押しとどめるお金。語呂合わせで説明されることもあります。岁 は 祟 と同じ発音で、こちらは押さえこんでおかなければならなかった悪い霊、「祟り」のことです。このお金は 红包 、赤い封筒に入れて渡します。そして2014年からは、電話の中にも入るようになりました。WeChat のグループで友人たちが送るバーチャルな封筒を 抢红包 、「奪い合う」のが楽しみなのです(夕食を忘れるほどに。例文22のとおりです)。
祭りの中心は、やはり 团圆 、家族の再会です。团 も 圆 も、丸いもの、欠けたところのない円をあらわします。そこから、世界最大の人の移動、春运 が生まれます。何億もの人が、大みそかの夕食のために故郷へ帰るのです。有钱没钱,回家过年:金があってもなくても、家に帰る。その夜は、中央テレビの年越し番組 春晚 を見ながら食事をします(日本でいえば紅白歌合戦です)。1983年からみんなが見て、翌日にはみんなが文句を言う番組です(それ自体が、もうほとんどひとつの風習になっています)。
八月の満月にも、同じ考えがこめられています。丸い月は家族の再会を呼び、月饼 、月餅もまた丸いのです(中秋節 のページをご覧ください)。元宵節の団子には注意してください。北では 元宵 、南では 汤圆 。ほぼ同じものですが、作り方が違います。前者は餡を米の粉の中で転がしてまぶし、後者は手でこねて包みます。七夕 については、中国のバレンタインデー のページが牽牛と織女の物語を語っています。
九月九日には、高いところに登りました。登高 です。腰には 茱萸 の枝をさげて、災いを払いました(日本語で茱萸と書けばグミのことですが、ここではゴシュユとも、サンシュユともされ、どの植物なのかは土地によって一致しません)。伝承によれば、十七歳の王維が家族から遠く離れて、わたしたちの最後の例文にある二句を詠んだのが、この日でした。独在异乡为异客,每逢佳节倍思亲。詩の全体は、兄弟を思う - Wang Wei のページで一字ずつ解説しています。1989年からは、重陽節は高齢者の日にもなりました。九九 は 久久 「ずっと、ずっと」と同じ発音なのです。
現代の祝日には独特の語彙があり、皮肉のきいたものも少なくありません。十月の七連休 黄金周 (ゴールデンウィーク。ただし日本とは時期が違います)は、调休 で埋め合わせることになります。休みを続けて取るために、前後の週末に出勤するのです。毎年、SNS には不満があふれます。11月11日は 光棍节 、独身者の日でした。棒のように並んだ四つの「1」のせいです(光棍「むき出しの棒」⟶ 独身者)。それをネット通販が 双十一 、地球上で最大の買い物の日に変えてしまいました。
外国の祝日、洋节 は、ショッピングモールとともにやって来ました。この語には、どこか警戒の響きが残っています。クリスマスは中国流に居場所を見つけました。前夜の 平安夜 「平安の夜」には、リンゴを贈ります。苹果 が 平安 と同じ音で始まるからです。万圣节 には注意してください。本来は万聖節、「すべての聖人の祝日」ですが、中国ではこの名前で、まさしくハロウィンを祝っているのです。
誕生日や儀式、縁起物(八という数字、赤い色、逆さに貼る 福)は、別のページで扱います。最後に、落とし穴をひとつ。过节 は祝日を祝うことですが、北京風に 儿 をつけて 过节儿 とすると、恨み、わだかまりのことになります。有过节儿 ふたりは、いっしょに何かを祝ったわけではありません。むしろ逆です。
ページのどの漢字をクリックしても、筆順が一画ずつ表示され、矢印が運筆の向きを示します。
使い方:どの語にもレベルがついています。① は基本、② はよく使うもの、③ は細かいもの。まず ① から始めてください。それだけでも、祝日のお祝いを言うことができます。▶ のボタンで発音が聞け、漢字をクリックすると筆順が開きます。
祝日と休み
祝日、祭りの日
祭り、祝日(春节、中秋节);竹の節
祝日を祝う、祝日を過ごす
休みになる、休暇に入る
にぎやかな、人が多く活気のある
祝う、祝賀する
休暇、休み
家族がそろう(離れて暮らしたあとで)
伝統的な祝日
風習、習わし
「ゴールデンウィーク」(国慶節の連休)
短い連休、三連休(三日間の休み)
法定の祝日
休日の振り替え(連休を延ばすために週末に出勤する)
中国の旧正月
春節、中国の旧正月
正月を祝う、年を越す
新年、正月
大みそか、年越しの夜
大みそかの夕食
ギョーザ(水ギョーザ)
ギョーザを包む、ギョーザを作る
紅包、赤い封筒(お金を入れて贈る)
新年のあいさつをする
爆竹
花火
お年玉(正月に子どもに贈るお金)
春聯(門の両側に貼る正月の対句)
大みそかに夜通し起きている
正月用品、正月の買い物
春節の年越し特番(大みそかの夜のテレビ番組)
廟の縁日
獅子舞
年糕(正月に食べるもち米の菓子)
旧暦の一年の最後の日、大みそかの日
旧暦の元日
春節の帰省ラッシュ(祝日前後の交通)
竜舞、竜の踊り
年獣(伝説で爆竹に追い払われる怪物)
「小さな正月」(大みそかの一週間前。日本の小正月とは別)
正月らしさ、正月の雰囲気
紅包を奪い合う(WeChat のバーチャルな封筒)
財神を迎える(正月五日)
元宵節、清明節、端午節
元宵節、ランタン祭り(旧暦一月十五日)
提灯、灯籠
元宵(もち米粉の餡入り団子、北方の呼び名)
湯円(もち米粉の餡入り団子、南方の呼び名)
飾り提灯(元宵節の)
提灯に書かれたなぞなぞを解く
清明節、墓参りの日(四月初め)
春の野遊び(直訳は「青を踏む」)
寒食節(火を使わず冷たい食事をとる日、清明の前日)
端午節、竜船の祭り(旧暦五月五日。日本の端午の節句とは別)
ちまき(竹の葉で包んで蒸したもち米)
竜船、ドラゴンボート
竜船競漕、ドラゴンボートレース
屈原(紀元前三世紀の詩人。端午節にしのばれる)
七夕から臘八節まで
七夕、中国のバレンタインデー(旧暦七月七日。日本の七夕とは日付が違う)
牽牛と織女(七夕の恋人たち)
カササギの橋(二人が出会う場所)
中元節、死者の霊をまつる日(旧暦七月十五日。日本のお盆に近い)
中秋節(旧暦八月十五日。日本のお月見とは別の祭り)
月餅
月を愛でる、月見をする
嫦娥(月の女神)
玉兎(月に住むウサギ)
重陽節(旧暦九月九日。いまは高齢者の日)
高いところに登る(重陽節の風習)
臘八粥(旧暦十二月八日の粥)
お祝いのことば
楽しい祝日を!
新年おめでとう!
明けましておめでとう!(中国の旧正月に)
「お金持ちになりますように」(正月のあいさつ)
万事が思いどおりになりますように
春節おめでとう!
願いがかないますように
ご家族みなさまに喜びと幸せを
幸運と繁栄を
中国の現代の祝日
元日(新暦の1月1日)
国慶節、建国記念日(10月1日)
メーデー(5月1日)
子どもの日(6月1日。日本のこどもの日とは別)
母の日
父の日
国際女性デー(3月8日)
教師の日(9月10日)
「ダブルイレブン」(11月11日、ネット通販の大セール日)
独身者の日(11月11日)
青年節(5月4日)
植樹の日(3月12日)
外国から来た祝日
クリスマス
サンタクロース
クリスマスツリー
クリスマスイブ(直訳は「平安の夜」)
ハロウィン(直訳は「すべての聖人の祝日」)
感謝祭
エイプリルフール(直訳は「愚か者の日」)
復活祭、イースター
「平安のリンゴ」(クリスマスイブに贈る)
カーニバル、謝肉祭
外国の祝日(しばしば批判的なニュアンスで)
彩色した卵(イースターの);エンドロールのあとの隠しシーン
成語とことわざに見る祭り
大喜びで、歓喜にわいて
飾りつけをして祝う(直訳は「提灯を掲げ、色布を結ぶ」)
旧年を送り、新年を迎える(年の変わり目に)
花は美しく、月は満ちる(幸せや結婚を祝うことば)
臘八を過ぎれば、正月はすぐそこ
金があってもなくても、正月には家に帰る
一月十五日には、元宵節でにぎわう
一年の計は春にあり(日本の「一年の計は元旦にあり」)
清明のころ、雨はしきりに降る(杜牧)
祝日が来るたびに、家族をいっそう思う(王維)
いつまでも元気で、千里離れていても同じ月を見られますように(蘇軾)
提灯を掲げて探しても見つからない、めったにない
日常のことばに見る祭り
番組、プログラム;(公演の)演目
季節
節約する
細部、ディテール
見物する、野次馬になる
年末のボーナス
筋、ストーリー(小説や映画の)
にぎわいに加わる;首を突っこむ
段階、一環
恨み、わだかまり(过节 guòjié と混同しないこと)
盛んな、繁盛している;にぎやかな
年の瀬の関所(借金を清算しなければならなかった年末)
例文
春節は中国でいちばん大切な祝日です。
大みそかの夜は、家族みんなでギョーザを作ります。
正月には、子どもたちはみんな紅包をもらうのが大好きです。
中秋節には、みんなで月餅を食べます。
国慶節には七日間の休みがあります。
お母さん、母の日おめでとう!
端午節には、ちまきを食べます。
あなたのうちでは、クリスマスをお祝いしますか?
大みそかの夜は、多くの人が年越しの夕食をとりながら春節の特番を見ます。
毎年、春節の帰省ラッシュの時期は、列車の切符がなかなか手に入りません。
旧暦の元日には、祖父母のところへ新年のあいさつに行きます。
元宵節の夜、通りは飾り提灯でいっぱいになります。
端午節のころには、南方の多くの土地で竜船競漕がおこなわれます。
言い伝えでは、七夕の日に牽牛と織女がカササギの橋で会うのだそうです。
中秋節の夜、家族そろって中庭に座り、月を愛でます。
国慶節のゴールデンウィークは、どこの観光地も人でいっぱいです。
ダブルイレブンの日、ネットで山ほど買い物をしてしまいました。
クリスマスイブには、中国の若者たちはリンゴを贈り合うのが好きです。
臘八を過ぎれば正月はすぐそこ。どの家も正月の買い物を始めます。
正月に爆竹を鳴らすのは、言い伝えでは年獣を追い払うためです。
休日の振り替えのせいで、休み明けは七日続けて出勤しなければなりません。
みんなスマホで紅包の奪い合いに夢中で、大みそかのごちそうが冷めてしまいました。
清明節のころには、郊外へ野遊びに出かけるのが好まれます。
こんなにきれいな昔の飾り提灯は、いまではどこを探しても見つかりません。
ひとり異郷にあって、よそ者の身。祝日がめぐるたびに、家族をいっそう恋しく思う。


